みちべぇの道

道だとか橋だとかが好きで、走ったり歩いたり道に迷ったり

リベンジのつもりが返り討ちにあった話

10月30日~31日の「東京エクストリームウォーク100」完歩できませんでした。

横浜みなとみらい、70km地点エイド手前でリタイア、

深夜1時、ゴールの制限時間まで9時間を残しての途中棄権でした。

 

あまり思い返したくないですが、自分への戒めは必要かなと思い

一人反省会してみます。

 

***************

スタート~第1エイド:平塚漁港(24km地点)

昨日までの台風による強風も治まり、快晴、微風

最高気温20度、絶好のお散歩日よりだ

f:id:michibe:20211101082418j:plain

スタート地点の小田原城は、朝日を受けてあまりにも爽やかに輝いている

 

だが、私はイマイチ調子がよくない

肩が妙に凝り、だるい、集中力がない

でもまあ、気分の問題かもしれないし、歩いているうちに調子が上がるかもしれないので、あまりいろいろ考えずにスタートしよう。

世の中はそんなに甘くないことを後で知る

そして、私の見当は常に甘い

 

f:id:michibe:20211101083310j:plain

この門より出でたる者は全ての望みを捨てよ w

 

スタート時間は8時だが、50人ずつのウェーブスタート(3分間隔)なので、私のスタートは8時半頃。ちなみに総参加者数は2000人だそうだ。

 

ほんとに気持ちのいい天気だ、青空に雲ひとつない

日焼けは体力を消耗するので、この日は長袖のアンダーシャツを着、バフにサングラス、帽子という不審者な恰好で太陽光をブロックし歩く。

 

ゼッケンをつけた集団が歩いているといろんな人に声をかけられる

聞いていると面白い

子供「どこ行くの? とうきょう? 何しにいくの?」

・・・どこに何をしに、、まっとうな質問だが、目的のための手段(歩く)が既に目的になってしまう、ということが世の中には結構あるんだよ、子供よ。

若者「築地まで歩いたら何か賞金出るんすか?」

・・・賞金どころか逆にお金を払って辛い思いをする。こんな種族もいることを知っておくといい、若者よ。

 

朝食を4時半頃食べたので、もうお腹が空いてきた💦

しかし、歩いているのは国道1号線。車はガンガン通るし通行人はいるし、歩き食べする雰囲気ではない。エナジーバーをポケットに入れ、少しずつ口に入れて空腹をしのぎ、24キロ地点のエイドステーションを目指す。

 

第1エイド~第1チェックポイント:湘南鵠沼(くげぬま)公園(36km地点)

13時、第1エイドの平塚漁港に到着

ここで、カレーパンとミカンをもらった。

 

f:id:michibe:20211101092743j:plain

 

ピクニック広場の広い芝生に腰をおろし、持参したおにぎりとカレーパン、ミカンを食べて休憩。夫にラインを送った

み「やっと平塚漁港についたよ」

夫「調子はどう?」

み「あんまりよくないかも、わかんない、頑張る」

夫「無理しないで、横浜くらいなら車で迎えに行くから」

み「はーい、またどこかで連絡します」

うーん、私が頑張りたいと思っているのにどうしてこの人はリタイアの話をするんだろう、と首をかしげる。実際にこの後深夜の横浜に迎えに来てもらうとは考えもしなかった。

相変わらずの自分勝手。もう、いい加減に気付け、と誰かが言っている気がする。気が付きつつはあるのだが、視野狭窄なので目先のことしか見えないのだ私は。やだねぇこんな人間。

 

平塚漁港を出て鵠沼公園まで湘南海岸を歩く、ここはMyテリトリーなので、海を見ながら気持ちよく、、のはずだったが、なんだかとても疲れている。30kmしか歩いてないのに50km歩いた後のような疲労感があり体が重い。

そろそろ足全体に痛みがでてくるのは当たり前としても、股関節が痛いのは想定外、腰にもそこはかとなく違和感を感じる。

 

第1チェックポイント~第2チェックポイント:横浜市児童遊園地(56km地点)

16時10分、第1チェックポイントの鵠沼公園到着

 

f:id:michibe:20211101093157j:plain

いただいた食べ物。バナナの皮をむきはじめてから「あ、写真」と気づいて撮ったw

だいたい予定通りのペースだが、結構、股関節と腰にきている。

股関節が痛いのは、たぶん「股関節の伸展」を意識して歩いているからだと思う。

最近、YouTubeのドリルを見て「股関節を使う走りというのは、股関節を伸展させることなんだ」と私なりに理解したつもりで(そうするとハムやお尻が使えているように感じる)、歩くときも地面に着地した足に乗り込み、股関節を伸ばす意識で歩いていた。練習の時はこれで調子よかったのだがなぁ。

 

腰は、なんで痛い?

腰にリュックを載せる意識が強すぎて、反り腰になっているのかもしれない。

エストバックが重すぎる?それはないな。荷物全体がそれほど重いってわけじゃない。様子を見るしかないな。

 

鵠沼公園を出るとき、太平洋に太陽が沈もうとしていた。

 

f:id:michibe:20211101094523j:plain

 

夜が来る。これからが本番だ。

夜間装備を整え出発。

 

赤信号で立ち止まるたびストレッチをしている人がいる

立ち止まるとふらつく人もいる。皆しんどいのだ、私だけじゃない。

 

腰は痛いというより、反り腰が酷くなっていく感じがする。

お腹が前に出、どんどん腰が反っていく。

この制御不能感はかなりまずい。

試しにリュックを体の前にかけてみることにした

赤ちゃんを前抱っこする感じ

そうしたら、腰がだいぶ楽になった

よし、これで行こう

 

国道1号線を歩くということ

遊行寺の坂を上り、国道1号線を歩く。

1号線、何が辛いかって、信号が多すぎる。

信号で止まると歩きのリズムが乱れるし、時間の計算も狂う。

第1チェックポイントから第2チェックポイントまで20km、普通なら4時間で歩く距離だが、信号待ちで時間がとられ、また疲れていて歩行速度が遅くなることもあり、いつまでたっても目的地が見えない。地図で確認すればいいのだが、老眼鏡をリュックから出すのが面倒なので見ない。これで結構気持ちが削られる。

歩行者の迷惑にならないように道の端っこを歩くと、縁石につまずいたりする。

 

ちょっとだけ嬉しかったこと

私の前を一人のおじさんが歩いていた。

おじさんと言っても私と同じ歳くらいかな、ちょっと上かな。

体が右側に傾いている。

お、私と同じ、疲れると体が傾く人だ、と思う。(私はこの時点では傾いていない、たぶん)

私と同じようなペースで歩いているが、時々スピードが遅くなるのでその時は私が追い抜き、またしばらく行くとおじさんが私を追い抜き、といった抜きつ抜かれつを繰り返していた。

追い抜くときにおじさん、リュックを前にかけている私に「あなたも肩痛そうだね、オレも痛いよ」と声をかけてくれた。「いや、肩じゃなくて腰にきちゃって」などと少し言葉を交わし、後は黙々と歩いた。

そのうち、おじさんが私を追い抜かなくなった。独特の足音が聞こえるので後ろにいるのは確かだろう。

2チェックポイントが目前という交差点、赤信号で止まったときおじさんは「あなたの後ろについていけて助かった、ちょうどいい目標になってくれた。ありがとう」お礼を言ってくれた。

私、自覚のないままおじさんを引っ張っていたんだ、と気が付き嬉しかった。

ちょっとだけ人の役に立てたね。

 

だが、体は疲労困憊している。

前にかけたリュックが胃を圧迫し苦しくなる。

後ろに背負うと腰が反り痛い

前にかけたり後ろに背負ったり、片肩にかけたりを繰り返していた。

足も痛い、股関節はとても痛い、今更肩も痛くなってきた

2チェックポイントでのリタイアが頭をよぎった。

 

2チェックポイント~第2エイド:ポートサイド公園(70km地点)

21時15分、第二チェックポイント、横浜市児童遊園地に予定より1時間以上遅れて到着

ストーブの炊かれたテントで靴を脱ぎ、暖かいほうじ茶とコーラを少しいただいた。

食欲があまりないがおにぎりを一つ食べた。

心拍が上がっているのがわかる、嫌な汗をかいている。

腰と肩に消炎鎮痛軟膏を擦り込む(股関節も塗りたかったが人目があったのでやめておいた。塗っておけばよかった)

 

ここでリタイアすれば電車で帰れる。

でもまだ頑張りたい。できればゴールしたい。

幸い、休んでいると少し体力が回復してきた気がする。もうちょっと歩いてみよう。

夫に「行けるところまで行くから、寝てください」とラインを送る。

 

22時前に第2チェックポイントを出発、随分長居した。

夜の1号線を歩く、黙々と歩く、ひたすら歩く

気が付くと、体が左に傾いていた

出た! この症状

今回の100キロウォークで、体が傾いている人を、さっきのおじさんも含めて何人か見た。いずれも中高年の人たちだった。

なんでそうなる?

私は、空腹と疲れで自律神経や三半規管に狂いが生じて傾くと思っていたが、

実は体幹とか骨盤のバランスとか股関節の柔軟性の衰えによるものなのかも

体の左右差が歩き続けるうちに顕著に表れるのかもしれない

体幹レーニングや筋トレ、ストレッチをさぼっているからこんなことになるのか。

ちゃんとやらなきゃダメだな

ぼんやり考える

立て直しても歩くごとに体は傾く

 

横浜みなとみらいの夜景が開けた

あー、綺麗ね。写真撮ろ

 

f:id:michibe:20211101110213j:plain

 

体が傾ていいるから写真も傾いているw

手ブレ、ピントあってない、遠くを拡大して撮る意識ももうない

 

それでも第2エイドまでもう少し、そこで休憩すればまた行けるかもしれない。まだ時間は残っているから少し横になるのもいい。

足は全然歩けるのだ。

 

しかし、もはや体の制御がきかなかった。

左にどんどん傾き、それにつれ視界もおかしくなり気分が悪くなってきた。

真っ直ぐ歩けない

 

もうやめよう

 

エイドまでたどり着けなかった。

深夜のみなとみらい、ビルの下の石に腰かけ事務局にリタイアの電話を掛け、夫の迎えを待った。

空を見上げると雲の切れ間からオリオン座の三ツ星が見えた。

 

 

家に帰り、お風呂で溺れそうになりながら体を温め就寝。

翌日、時計を見「ああ、そろそろ皆ゴールしている頃だな」と思ったら、急に涙が出た。不甲斐ない自分が悔しかった。

 

*********************

2年前、姉と姉の友だちの3人で参加した岡山100キロ歩行は、制限時間20分オーバーのゴールでした。今回はその時のリベンジのつもりだったのですが、失敗に終わりました。

 

文章にすれば完歩できなかった原因が見えてくるかと思ったのですが、いろいろがダメ過ぎて、何が一番いけなかったのかよくわかりませんでした。

 

体調不良…イベントの一週間前から禁酒、禁コーヒーして体調を整えたつもりなのになぁ。禁酒禁コーヒーのストレスで逆に体調崩していたりして。

 

疲れ?…10月の走った距離は113km
歩いた距離は、本番を入れて180km
疲労が抜けていない、というほど疲労していない

 

一人だから休憩が少なすぎたのかもしれない、制限時間から見て もっとゆっくり歩いてもよかったのかもしれません。一人で歩くって難しい。

 

国道1号線を歩くというのが、私に向いていなかったのかな(言い訳)

都会になじめない田舎者だから。

 

とりあえず筋トレ、ストレッチしなきゃ、続かないんだよなぁこれが。

 

今回は、楽しいところのあまりない、ほとんど苦行の歩きだったことが何より残念でした。

昨日まではもう100キロなんて歩かない、と思っていましたが、ブログに書くことで少し気持ちが落ち着いてきました。今度は空気の良い場所で誰かと一緒に歩きたいなと。

懲りない奴です。