昨年、コロナ感染予防を考え、人の多い湘南海岸でのランニングは控えて目久尻川沿いを走ることにした。走っていると至る所でカワセミが見られることに気が付いた。
気付いたというか気付かせられたというか、、
川のあちこちにカワセミ愛好者による棒が立てられ、
こういうのね
川岸には、バズーカ砲のような巨大レンズ付きカメラを構えた人たちが、多いときは7~8人ずらりと並んでこの綺麗な鳥に照準を合わせている。
「きゃー、カワセミ 逃げて!!」
思わず叫びたくなるのだった。
肉眼でも充分綺麗なことがわかるカワセミだが、バズーカの人たちがどんな絵を見ているのか興味が沸き、秋に8×30の双眼鏡を買った。
あらら、これはまた美しい。
双眼鏡越しに見たカワセミは、瑠璃色と翡翠色のグラデーション、背中の水色、クチバシの黒(メスは下側クチバシが赤)首にワンポイントの白、胸と腹はオレンジ色。その配色の妙も色彩の鮮やかさも完璧に見えた。
「水辺の宝石」と呼ばれるわけだ。
双眼鏡で他の鳥も見てみた。
それまでスズメと見分けがつかなかった小鳥たちは、それぞれに特徴と魅力を持つ野鳥であると知った。新鮮な驚きだった。
ある日、バズーカおじさんの後ろでカワセミを見ていると、
おじさん「カワセミは本当に綺麗な鳥ですね」と切なげに言っていた
ここにもカワセミに魅せられた人が一人
この切なさは、わかる気がする
鳥が好きなら鳥を飼えばいいじゃない?という声もあるが
私はインコや文鳥など飼いたいとは思わない。
たぶん、野鳥好きは、自然の中の鳥を見るのが好きなのだと思う。
川にドボコンと飛び込んで魚を捕るカワセミや
凄い速さでドラミングするアカゲラや
木のてっぺんで高鳴きするモズ といった姿を。
野鳥だから、いくら好きでも愛していても一緒にはいられない
すぐにどこかへ飛んでいってしまう
切ない気持ち、わかるわかる。
だからバズーカの彼らは写真を撮るのかな
------------
先週末、秦野の権現山に行ってみた。
そろそろ冬鳥が帰ってくるかなと期待して(昨年バードウォッチングを始めたときに冬鳥は既にいたので、今年の冬鳥は「やってくる」ではなくて「帰ってくる」と思っている。自分中心(笑))
林道を歩いていると、ツツ・・ 聞きなれた鳴き声と共にシジュウカラがやってきた。ネクタイの立派なオス鳥。めずらしい鳥ではないが会えて嬉しい。
次々と他のシジュウカラも集まったきた。よく見ると、黒いベレー帽も小粋なコガラも混ざっている。久しぶり♪
鶯色のメジロも、チーチーいいながら飛び回っている
おお、まん丸のエナガがチョロチョロしているぞ、可愛い!
コゲラは木の幹をスルスルと器用に歩きながら虫を見つけてつついている
茶色いお腹はヤマガラ、うぉーー!
・・・混群だ!
このちびっこい野鳥たちは、違う種類同士で群をつくることで外敵から身を守るのだそうな。言葉(鳴き声)で情報交換すると、「ダーウィンが来た」でやってました。
たくさんの野鳥に囲まれる、夢のような時間。
忙しく飛び交う鳥たち、賑やかな鳴き声
幸せなひととき
でも、夢がいつか覚めるように
野鳥たちもやがて行ってしまう
周りは静まりかえり
私だけが取り残される 寂しい(笑)
権現山の素晴らしい所は「バードサンクチュアリ」という、鳥が集まる水場があるところだ。行ってみると
ヤマガラたちがいるではないか。(手前がヤマガラ、右奥はシジュウカラ、その左側のメジロ2羽は木と同化してわかりにくい)
また会えたね ♡
しかしこの後やってきたヒヨドリに追い払われてしまう。
もー、ヒヨ、やめてよ。
権現山で冬鳥には会えなかったが、混群に遭遇し満足した。
満足したが、やっぱり少しだけ切ない気持ちが残ったのだった。