みちべぇの道

道だとか橋だとかが好きで、走ったり歩いたり道に迷ったり

娘の不調

不調の話ばかり(;^ω^) しかも長文です。

 

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ふと、自分の体調がすぐれないのは、娘と会っていないからではないかと思い至る。

 

32歳の娘は、実家から電車で二駅目にあるグループホームで生活している。

 

中学時代不登校になり、担任の教師に児童相談所でのカウンセリングを勧められ、そこで軽度の知的障害であることがわかった。若い担当職員は「ボーダーライン」と言っていた。「誰でも得意・不得意はあるものですが、娘さんは不得意分野が少し多いくらい」と。今なら違う病名(?)がついていたかもしれない。

 

その後、娘は、自分から養護学校への進学を望み、卒業後は地域包括支援センターの助けを借りて自分でグループホームを探し、入居した。

娘の最重要課題は、「一人立ちすること」。いつか親がいなくなっても一人で生きていける術を身につけなければならない。今のところ、私などより余程しっかりしている。

 

割合近くに住んでいるので、週末には度々実家に顔を出した。昼食を一緒に食べ、少し話をして帰っていく。

娘は、私だけに通じる特殊能力を持っている。

私を元気にする力。どんなに疲れていても、娘の顔を見てたわいもない話をすると、身も心も楽になり、また頑張ろうという気持ちになる。

ここ2年余りはコロナであまり会えなくなり、今年の二月には娘のグループホームでも職員が感染したということで、ますます行き来がしにくくなっていた。もう、三か月顔を見ていない。会いたい。そろそろコロナ騒動も落ち着いただろうか。LINEしてみよう。

私「明日の土曜、遊びに来ない?借りてた本も返したいし」

娘「行きます。ただ、体調があまり良くないから長居はできないけど」

うん?風邪でもひいたかな、無理はしてほしくない

私「じゃあ、来週体調良くなったらにしようか」

娘「来週までに快復するかはわからないです」

どんな状況なのだろう

娘「ストレスか別に原因があるのかわからないけど、現在進行形で体重と体力が落ちてて動くのがしんどい」

私「病院に行った?」(自分はいかないくせに)

娘「仕事や買い物に出られるからそこまで深刻になっていないです。20キロ台になったら考えます」

20キロ台?体重の話? 娘は150cmに足りない小柄な身だけど、20キロ台って?

拒食症、鬱、という言葉が頭をよぎる。不安が広がる。とにかく娘の顔を見なければ。

私「こちらからグループホームに行くよ」

娘「まだコロナで職員さんたちピリピリしているから、外部の人は来ないほうがいい。大丈夫、実家に行くよ」

私「じゃあ、駅まで車で迎えにいく」

娘「うん、そのまま実家に寄らずに帰らしてくれると助かるんですが」

?? それじゃ、迎えに行く意味がない。家に来たくないのだろうか?

私「じゃあ、外でご飯食べる? お店に行くのも辛い?」

娘「次の日仕事だから体力温存しておきたい、一人前食べられないから今回はパスで」

娘の本意が解らない。コロナ感染を心配しているのか、よほど衰弱しているのか。そこまで具合が悪かったら、グループホームから連絡が来るはずだ。

考え込んでいると、夫が「あの子はお母さんには話せるけど、私には聞いてほしくないことがあるんじゃない?」と言ってきた。そんなことはないと思うけど、どうなんだろう。

私「じゃあ、じゃあ、私一人で駅まで歩いて行くから、そこで本を返してちょっとお話するっていうのはどう?」あなたに会いたいよ。

娘「了解です」あっさり了解した。

 

翌日、駅前広場に行くと、娘はベンチに座ってスマホを見ていた。

声をかけると顔を上げ、いつもの笑顔を見せた。顔の輪郭が一回り小さくなり、大きな目がより大きく見える。痛々しさと安心がないまぜになり胸がいっぱいになった。

ちょっと散歩しようと、肩を並べてゆっくり歩き、近くの古墳公園に行った。風が強く、古墳の上の桜の大木が盛大に花びらを散らしている。

 

私「体重、今何キロなの?」

娘「38キロかな」

なんだ、少ないけど病的ではない。もう、20キロ台とか言うから心配したよ。

思ったより元気そうだ、実家に長居したくないのは、心配した父親のお説教を聞くのがしんどい、という理由もあるのだろう。(夫は良い人だが話が長い)

こうやって桜吹雪の中で、女同士ゆるゆると話をするのも悪くないね

 

娘のストレスは仕事上のことらしい。娘は、相手の態度のちょっとした不快や怒りや軽蔑を敏感に感じ取って傷つく子だから、今の仕事(接客)は辛いことが多いとだろう。でも、自分で選んだ仕事だから、自分でなんとかするしかない。大丈夫、今までだって数々乗り越えてきたのだから、これからもやっていける。

 

絵が好きな娘の気持ちをほぐせたら、と思い、鳥の絵を持っていった。

当時、中学校にいけなかった娘は絵画教室にだけは通い続けていて、絵は私よりも格段上手だ。

そんな娘に、私のへたっぴな絵を見せて和んでもらうのもいいかな、とおえかきちょうを見せたら、一番反応が良かったのが、このカラスだった。

 

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「カラスって面白いよね」と娘。以前、カラスが、駐車場に止めてある車の屋根からフロントガラスを滑り降りて遊んでいる光景を見たのだそうだ。(車の持ち主には気の毒(^-^;)

カラスを面白がる気持ちの余裕があるなら大丈夫。少し安心した。

 

娘に対しては過去にいろいろな葛藤があり、複雑な思いもあるが、大切な愛しい娘であることは、昔も今も、これからも変わらない。

大事な大事なあなたには、幸せでいてほしいよ

そう言おうとしたら、泣きそうになった。

いかん、いかん、ここで涙を見せたら娘は困ってしまう。

「今まで言ってなかったけど、M(娘の名)と会うと私、何故か元気になるのよ。私の元気のためにもMは体調治して、また遊びに来てね」

と、身勝手この上ない母親の言葉に、娘は「うん」と笑ってうなずいた。