みちべぇの道

道だとか橋だとかが好きで、走ったり歩いたり道に迷ったり

ただ海を見ていた旅

南伊豆に行ってきました。

最初の予定では、天城山に登ろうかという話があったのですが、天候が不安定なことと、天城山山頂は展望があまり良くなく景色が楽しめないという理由から予定を取りやめ、これという目的もなく出かけました。

たいした内容じゃないのに、無駄に長いです(;^ω^)

 

海なら湘南でも見られるけれど

「伊豆は、南に行くほど美しい」らしい。休暇村南伊豆のパンフレットに書いてあった。「波打ち際まで徒歩1分、ホテルの目の前には白砂の「弓ヶ浜」が広がり、温泉、海の幸が楽しめます。」ふむふむ、美しい海を見に行こうではないか。

 

朝の西湘バイパス、助手席から見る相模湾は白く霞んで、水平線も三浦半島も見えない。空は晴れているのに、湿気が多いのだろうか。

南に行くにつれ、少しずつ靄が晴れていき、海がくっきり見えてきた。昼前にホテルに到着。

 

弓ヶ浜でランチ

お昼ご飯どうしようか。新鮮な魚介は夕食でいただけるだろうから、お弁当を買って海辺で食べようと提案した。

外で食べるごはんは美味しいし、ホテルに来る途中の道で小さなお弁当屋を見つけたのだ。その店は、軽トラに乗ったおじさんや、子供連れの母親等が次々とやって来て買っていく。地元の人に愛されている、きっと美味しいお弁当に違いない。

車で来た道を少し戻り、そのお弁当屋に行った。店に入ると、おばあさんがレジに座っており、中年女性(お嫁さん?娘さん?)が、厨房と店の間を忙しく出入りしてお弁当を補充している。アジフライ弁当、焼き魚弁当、トンカツ弁当、ピーマンの肉詰め弁当、いろいろな種類の弁当が並べられていた。

私はピーマンの肉詰め弁当を夫は助六寿司を選び、レジに向かうとおばあさんが「はい、2つで1,400円ですね」と優しい声で言った。私がトレーに2,000円置くとおばあさんはゆっくりとした動作で「はい、おつり」と、釣銭の硬貨を差し出した。

最近、支払いはトレーでの受け渡しに慣れていたので、私に向かっておつりを差し出すおばあさんに少し戸惑った。

例えば、暑い日のランニング後にお店に寄ってちょっとした買い物をする。タオルで吹いても噴き出す汗に腕や手をテラテラさせながらレジで支払いをする。そんな時、トレーでの受け渡しはホントに有難いと思う。汗だくの体で人と接するのは相手に申し訳ないから。

でも、この日おばあさんが手から手へおつりを渡してくれたことが、なんだか嬉しかった。おばあさんの手はシワシワで、乾いていて暖かかった。

 

ホテルの前の弓ヶ浜で、海を見ながらお弁当を食べた。

 

白い砂浜にエメラルドグリーンの海が綺麗(写真はへたっぴ)。

 

遠く、神津島、その手前を横切る貨物船も見える。鳥を見る双眼鏡でひたすら海を見ていた。

 

やけに美声のイソヒヨドリが、ピーリピーリと松の木の上でさえずっている。

 

エサのフナ虫がいっぱいいるから、イソヒヨドリが多い

 

お弁当、ピーマンの肉詰めもご飯もとても美味しかったです。

 

その後石廊崎

石廊崎有料駐車場の入口で、係らしき年配の女性がこちらに向かって何か言っている。

車の窓を開けると、女性は「この駐車場からですと、石廊崎灯台までちょっと坂道を結構上ることになるんですよ。この先にもう一つ駐車場があって、そこからですと灯台まで近いんですけどね」と教えてくれた。

「ちょっと」なのか「結構」なのか、どっちなん?と思いつつ、「歩くのは平気ですから、ここでいいですよ」と言うと、女性はパッと明るい表情になり。「ああ良かった、ありがとうございます、500円です。すみませんね」なぜか有難そうに、かつ申し訳なさそうに言い、駐車料金を両手で押し抱くように受け取ってくれた。おもろい人だ(^ω^)。

石廊崎への坂道はほんのちょっとだった。

 

青い海~、白い灯台

 

振り返ると

 

風力発電の風車がグルングルン回っていた。風が強い。

 

灯台の先には、海に突き出た岩があり

 

 

岩の先端から見下ろす海は

 

火曜サスペンス劇場(;^ω^)

 

ここでスマホを落としたら拾いに行けないな。びくびくしながら写真を撮った。

 

タライ岬

石廊崎で恐さを満喫した後ホテルに戻り、夕食まで時間があるので近くを散策した。

道路を歩いていたら蟹に会った。

 

蟹は普段、ハサミを下に向けているのね。車にひかれないようにね。

 

弓ヶ浜に近いのに、あちらは砂浜、ここは岩と石がゴロゴロ。

 

魚に見える流木発見(見えない?)

 

タライ岬からは、前も右も左も海・海・海

 

夜の潮騒テラス

夕食後、屋上の「潮騒テラス」に行ってみた。

真っ暗。灯りが一つもない。だが、次第に目が慣れてくると、テラスに置かれたテーブルや椅子が目に入る。その奥には数台のハンモックが並び、更に奥には足湯がある。

潮騒が聞こえ、遠くの山には風車の灯が蛍のように微かに瞬いている。

雲の切れ間から月が出てきた。半月と満月の中間の月。

ハンモックに寝転んで空を見る。何もなければ星がよく見えるのだそうが、今日は月と雲があって星はほとんど見えない。波音に包まれ海を感じながら、流れる雲と月のクレーターを眺める。風が涼しい、眠くなる、このままだと風邪をひくパターン(;^ω^)。

部屋に戻り、温泉に入ってパタリと寝た。

 

ほんのちょっと朝ラン

窓をカラカラ開ける音で目が覚めた。朝の光と波の音が部屋に入ってくる。ザザンと控えめな音なのは、遠浅の海で波が小さいからか、と考えながらウトウトウトウト。

キョキョキョキョ、、ホトトギスの鳴き声が聞こえ起き上がった。朝の散歩に行こう。

 

弓ヶ浜は引き潮で、波がどんどん引いていく

 

砂浜が広がっていく

引く波を見ていたら、どういうわけか無性に走りたくなってきた。

写真を撮っている夫にバッグを預け、波打ち際をゆっくり走った。

砂に足をとられて走りにくいと思っていたが、波打ち際の締まった砂は足裏に優しい感じで思ったよりずっと快適に走れる。弓ヶ浜の弧に沿って浜の端まで走り戻ってきた。

気持ちいい\(^o^)/

さて、シャワーを浴びて朝ご飯を食べよう。

 

ホテルに戻る途中、砂の上に咲く黄色い花を見た。

 

どこから栄養をもらっているんだろう、たくましいね。

 

山にも登らず鳥も見ず(イソヒヨ以外)ほとんど観光もせず(石廊崎だけ)、ただ海を眺めていただけの南伊豆の旅。結構楽しいものでした。