みちべぇの道

道だとか橋だとかが好きで、走ったり歩いたり道に迷ったり

真夏の朝の幻覚?

お暑うございます。

 

朝、5時前、庭に出ると、木の葉っぱの中に羽化して間もないセミを見つけた。

 

1日目の蝉、透明な羽根はミンミンゼミかな。

 

風がそよとも吹かない中を走り出した。

田んぼに挟まれた道の真ん中に、何やら赤茶色の物体がうごめいている、と思って近づくと、10センチくらいのザリガニが歩いていた。

 

近付くとハサミを振り上げて威嚇してきた。ガオーっ!

 

はいはい、威嚇しなくていいから、早く道路渡ったほうがいいよ。カラスに食べられないようにね。と優し気な言葉をかけつつ、頭の中では

ザリガニって美味しいんだろうか?ロブスターに似ているから食べられるよね。

なんてことを考えながら、その場を後にした。

 

無風の目久尻川沿い。

走ると少しだけ風を感じるが、止まると汗がどっと出る。

止まらず走れってことね。

あちこちから聞こえるカワラヒワの「ビーン」やセッカの「チャッチャッ」やホオジロの「チッチュルリ」に励まされてテッテコ走る。鳥も暑かろう。

 

川の水もトロンと淀んで見える。

 

田んぼに映った自分の影をぼんやり見ながら走っていると、ん?影の頭から光が出ている?

後光?幻覚? よく見ると体全体が光に囲まれているようにも見える。

私、いよいよ天に召されるのだろうか。

あの橋の上にいる杖をついたおじいさんは神様かな。(筒井康隆の「エディプスの恋人」を読んで以来、私の中で神様はヨレヨレの老人の姿をしている。)

 

写真ではよくわからないが、頭の上から光が出ているの、見えるかな。

 

田んぼの稲が、朝露でキラキラ光っている。

そうか、これはあれに近いな、何だっけ、ドッペルゲンガー、じゃなくて、ドップラー効果、でもなくて、えっと、えっと、いかん、外来語が出てこない。ベッケンバウアー、違う。(おばあさんやん(;^ω^))

そうそう、いつだったか白馬で見た「ブロッケン現象」、に似た光の反射によるいたずらに違いない。稲についた水滴が光を反射し、それが影の周りを散乱して、、よくわからないがそいうことだろう。

テキトーに解釈し納得して、光る影としばらく一緒に走った。

光に囲まれて祝福されているようで、少しばかり幸せな気分になったのだった。

(橋の上のおじいさんは、普通の人間のおじいさんでした。たぶん)

 

でも、やっぱり暑い。

太陽に照らされ、百日紅さるすべり)の花が、元気いっぱいに咲いている。

華やかで美しく、この花には若干狂気を感じる。

夜、風にゆらゆら揺れる百日紅の花を見ると、花かんざしを着けた美女のろくろっ首に見えてきたり

 

明るい場所で見ていると、何だか貧血を起こしそうになったり(@_@。

花が狂気じゃなくて、私がおかしいのか(;一_一)

 

この暑い中で生き生きと咲いているのは、生命力に溢れているからなのだろうな。私もそんなえげつないくらいの生命力が欲しいのもだ、と枯れかけたオバサンは心から羨ましく思うのだった。

 

8月になった。まだまだ暑い夏は続く。