みちべぇの道

道だとか橋だとかが好きで、走ったり歩いたり道に迷ったり

新潟魚沼里帰りの旅③

(2日目夜の続き)

作戦会議

せっかくだから旅ランしたいなぁ、旅ランの朝ラン♪

「左(山)でも、右(川)でも、真っ直ぐ(国道)でも好きに走ってこい」とキド。

うん、でも今朝の上原も素晴らしかったから、また行きたい。でもでも頂上まで2キロで近過ぎるし、峠走だけっていうのもキツいな。ロードも走りたい・・・あーたらこーたらうだうだ。

こりゃ埒が明かない、と思ったのかキド、「よし、作戦会議だ」と、村の地図を持ってきてくれた。

上原に行くには、キド家の横から登る東側ルート(最短)の他に、山裾をグルリと回って北側から登るルートがある。現在地から2部落ほどロードを走り、登る道も東側より傾斜が緩い。

私「これで行こう、キドは今朝のルートを上って、頂上で会おうね」

キド「私も行くのか (ー_ー;)」

巻き込んだ (^^♪

 

3日目

朝ランでランデブー ♪

朝まだきの中、家を出た。キドは右へ私は左へ「じゃっ、上で会おう」。

集落の家々と、稲刈りの終わった田んぼが少しずつ明るくなっていく。テコテコ走り川を渡って山の林道に入り、坂道を走ったり歩いたりしていると、空が薄桃色に変わってきた。山の上の畑では農家の人がキャベツの収穫をしている。早起きだねぇ。

最後の直線を駆け上がれば頂上だ。頑張れ私、ヒー(>o<)。見上げれば、坂の上に仁王立ちしているキドのシルエットが見えた。

仁王立ちで写真を撮ってくれた。

 

これでも必死で走っている。

 

頂上からは、昨日とはまた違う濃度の山波とたなびく雲の海が。

 

 

コスモスが太陽を見ている

 

 

今日もお天気に恵まれた雲上の楽園(*^-^*)で、マネージャー(キド)が持ってきてくれた飲み物やミカンやお菓子でモグモグタイムを満喫し、下界に降りた。

 

再び、まりさん

今日は、「魚沼の里」という良さげなところに連れて行ってもらう予定だが、その前に、鮎の櫛を返すためにまりさんのところに寄った。

まりさん、私の父の実家や、祖父の同級生の話をしてくれた。

「あんたのおじいさんは、この家で同窓会やったんよ。十助(屋号)さんとか〇〇さんとか△△さんとか同級生だろ」

へぇ、十助のじいちゃんは母の兄だが、祖父と同級生だなんて知らなかったよ。私よりも私の家族のことを知っている、この人はいったい何者?

それより、、「すみませんでした」謝罪の言葉がつい口から出た。

というのは、うちの祖父(かなり酒飲み)、十助のじいちゃん(大酒飲み、そして騒ぐ)、〇〇さんも△△さんも酔っぱらっている顔しか思い浮かばない。そんな連中が集まって、さぞやうるさかっただろうな。

まりさん「飲まない人なんかいねぇて」と笑う。そっか、そうよね。

 

権現堂山に1,000回登った人の話

まりさんの話は面白い。権現堂に1,000回登ったという人の話をしてくれた。

権現堂は村の東にある標高は900メートルくらいの山だが、急登があり結構きつい山だと思った。子どもの頃に何回か登ったが、バテた記憶もある。登山口も遠い。

その山に1,000回登った学校の先生がいたのだと。冬はかんじきを履いて、朝4時に家を出て学校が始まる前に登って降りてきたんだと。

すごーい(@_@。もはた修行の領域。千日回峰行か、大阿闍梨になれるわね。感心しきりであった。

今度来たときは権現堂に登ろうかな。

 

権現堂。山の上には「弥三郎婆サという山姥が住んでいる」といわれてきたが、今日、この後偶然、弥三郎婆サの謂れを知ることになる。

 

弥三郎婆サの切ない伝説

まりさんのお宅を辞して、今日は只見線下り方面に乗り、小出駅上越線に乗り換え、「魚沼の里」に向かった。

 

駅を降りてテクテク歩いていると、神社の下に大きな石があり、「弥三郎バサ腰掛岩」と看板がある。

 

 

子どもの時、「権現堂の上の洞穴には弥三郎婆サが住んでる。おまえら(子どもたち)が悪いことをすると弥三郎婆サに連れていかれるゾ」と歪んだ教育を受けた。弥三郎婆サはひたすら恐ろしい存在だった。

その弥三郎婆サは、ここが発祥だったのか?興味深々で看板を読んだ。

 

昔、大崎村の某家に一人の老婆があった。

十二月の寒い晩、この婆さんが生まれて間もない孫の弥三郎を抱いて子守をしていたところが、あまりの可愛さについに食べてしまった。

人の肉を食ったため、たちまちのうちに面相も変わり鬼となって窓から風に乗って弥彦へ飛んだという。

しかし、元々心優しい人であり、自分のしたことを深く悔いその罪の恐ろしさに心休まる時とてなく、悩みぬいた末仏門に帰依し世の中の不幸を救わんと心定め菩提寺である真浄寺に行き悔い改め安堵の信心を頂き、そのお礼に万年蝋燭と豆柄の太鼓外品々を寄進して嵐に乗って飛び立ったという。

 

何だか切ない話だ。

「食べてしまいたいくらい可愛い」も「目の中に入れても痛くない」と同じくらい正気を失った言葉だと思うが、気持ちはわかる。うんとわかる。

娘がまだ新生児の時、小さくて柔らかくて愛しい娘を抱っこして、もう大事で大事で、その命が私の手の中にあるという事実に慄き畏れ、思わず窓から娘を放り投げてしまうのではないかと恐怖したことを思い出した。

愛と狂気は表裏一体なのだ。

でも、弥三郎のお婆さんは救われたんだよね。よかった。権現堂の弥三郎婆サとここの弥三郎バサが同じ人なのか分からないが、元は同じ話なんだろうな。恐がってゴメン。

 

魚沼の里

八海酒造プロデュースの「魚沼の里」は、広い敷地にいろいろなお店や、雪室などがあり、雪国魚沼を体感できるくつろぎスポット、だそうだ。

 

www.uonuma-no-sato.jp

 

気の利いたお土産も買え、ご飯を食べてビールを飲んでのんびりした。

 

写真だとわかりずらいが、少し紅葉も始まっていた。

 

猿倉山ビール飲み比べ。よく飲むねヽ(^。^)ノ

 

夕飯はやっぱり囲炉裏端

今日も面白かった~、と囲炉裏でくつろぐ。

 

五平餅をいただきました。クルミ味噌が美味し(*^-^*)

 

明日は只見線復旧開通の日。記念列車を見よう!

そして神奈川に帰ります。

 

(続きます)