のどかな日曜日、暖かな日差しを受けて、川沿いの道をのんびり走っていた。
川辺の石の上で、大小の亀が甲羅干しをしている。
そうか、亀が出てくる季節になったんだなぁ。
・・・ということは、もしかして、あの動物も?
しばらく走っていると、案の定、出会ってしまった。
にょろにょろしたあの爬虫類!
私の腕ほどもある太さの(そう見えただけ、実際はそんなに太くない)
灰色の長ーい蛇が、川岸の草原から出てきて、私の姿に驚き、また川に戻っていった。
びっくりしたのはこっちだよ、冬眠からお目覚めになったのね。
蛇が苦手、怖い。
こんな田舎に住んでいて、しかも、日常的に川沿いの未舗装道を走ったり散歩したりしていて、蛇が怖いもなかろう、と思うけど、、だって、怖いんだもの。
過去に蛇に噛まれたわけでも、巻き付かれたわけでもなく、何もされていないのだが怖い・恐い・コワイ (>_<)
うちのばあちゃんはマムシ捕りの名人で、家の周りには蛇が普通にいたが、あのにょろにょろに慣れることはなかった。
子どものとき、春、桑苺を採ろうと家の前の桑の木の枝に手をかけたら、目の前の枝に蛇が巻き付いていて、目が合った(確かに合った)。
一瞬の思考停止の後、走って逃げた (@_@。
あのあたりから蛇が怖くなったのかな、いや、もっと前からだな。
たぶん、私の前世は、蛇に食べられた可愛い小鳥だったのだ。もしくは、蛇に食べられたカエル。
蛇に食べられるって恐ろしいだろうな、目の前にあの顔が表れて、口がグワッと開いて飲み込まれる。ううっ、くわばらくわばら、夢に見そう。
なんてことを言っている場合じゃない。川辺には蛇がいる。
そして、嗚呼、鳥のいるところにも蛇がいる。
忘れもしない、去年の初夏の話。
厚木市七沢の自然環境保全センターに野鳥を見にいったとき、湿地に降りる木の階段の途中で、夫に「そこにマムシがいるから気をつけて」と言われ、足を止めた。
見ると、2歩先の階段の隅に、小指の先くらいのちびこいマムシの赤ちゃんがじっと動かないでいる。チビなのにしっかり小判の模様がある。ひっ(゜_゜;)
もー教えないでよ、気が付かなければそのまま行ったのに、と夫を逆恨みしてみても、既に気づいてしまった。
逃げてくれ、と念じるがチビマムシは動かない。私は動けない、心臓バクバク。
「怖くない、チビマムシより私の方が大きい、私の方が強い、私の方が速い、怖くない、怖くない」と心の中で呪文を唱え、固まった足を無理やり動かし、木段の端っこを落ちそうになりながらソロリソロリと歩いて、チビマムシの横を通り抜けた。
あー、怖かった。
いつだったかテレビで「動物の赤ん坊が可愛いのは、大人に面倒をみてもらうための生存戦略。だからどんな動物でも、赤ん坊は可愛い」と言っていたが、あれは嘘だ。蛇の赤ちゃんは可愛くない、怖い。
しかし、ランや鳥見で、いちいち蛇に戦慄していたのでは非常に疲れる。
恐怖心を克服したい。
以前の職場で同僚にその話をしたところ、彼女は
「蛇、かわいいじゃない。私、蛇のぬいぐるみ持ってるよ」と。
シンジラレナイ、どんなぬいぐるみやねん、と思う。
翌日、撮った写真を見せてくれた、そのぬいぐるみは、オレンジ色と緑色のシマシマのデフォルメされたヘビで(だったと思った)、丸い目がかわいくなくもない。
なるほど、そういう可愛いヘビで慣れていくというテもあるのか、と納得し、メモ紙にヘビの絵をできる限り可愛く描いて机の上の目につく所に置いた。
こんな感じ。「にょろ吉」と名付けて、毎日見ていた。
同じ同僚が、「箱根園の動物ランドでは、動物とふれ合えるよ。蛇にも触れるかも」と情報をくれた。
蛇に触る!! 考えただけでも鳥肌が立つが、触ってしまえばもう怖くなくなるかも、と希望を抱き、行ってみることにした。
『だっこしてzoo』というこじんまりとした動物ランドは、猫や巨大なウサギやリクガメやカピバラにとも触れ合える、とても楽しい場所だった。
そして、蛇。
飼育員の手に載せた、きれいな白い小さめの蛇。「触っていいですよ」と言われ、さんざん逡巡した挙句、おそるおそる手を伸ばしたが、途中で止まった。
触れない。やっぱり無理。
どうして怖いんだろう? 好きになりたいのにな。
ヘビ恐怖はいまだに克服できていません、というお話でした。
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お絵描きは、ハシビロコウ、のつもり。(なんだか違う)
これだけ大きな鳥なら、蛇に食べられることもないでしょう。
伊豆シャボテン公園でハシビロコウを見たとき、すぐ近くを通っても微動だにしないので、置物かと思いました (;^ω^)