大層なタイトルだな ( ̄▽ ̄)
えっと、しつこく北海道関連のお話です。
旭川旅行を前に、せっかくなので旭川の作家である三浦綾子の小説「氷点」を読んでみようと、図書館から借りました。

これが非常に面白くて、旭川のホテルでは寝る間を惜しんで読んでた (;^ω^)
--以下、ネタばれあります--
物語の舞台は、昭和21年の旭川。
(『氷点』が刊行されたのは昭和40年)
病院長の妻、夏枝(美人で上品)が、夫の留守中、他の男に口説かれている間に、幼い娘が殺される。妻を恨む夫は、娘を殺した犯人の娘(赤ん坊)陽子を養女に迎える。
という話で、(内容、端折り過ぎて意味不明か)
「氷点」ってサスペンスだったの?と思った。が、違った。
この病院長である夫、啓造という人は、若き経営者として有能で、医師としても信頼が厚く、家族を愛する良き夫であり、性格も穏やかという 非の打ち所のない人物なのです。
啓造が犯人の子どもを養女にしようと思ったのは、学生時代に教会で学んだ「汝の敵を愛せよ」という言葉が心の底にあったのが発端。
元来 真面目で向上心の強い啓造は、「汝の敵を愛す」ことが実践できたら人として一段階成長できるという気持ちがあったのではないかと思う。
そんな気持ちもありながら、不貞をはたらいた妻を許せないあまり、陽子の出生を隠して養女にし、何もしらない妻に育てさせ、後に真実を知らせて妻を苦しめようと、目的を妻への「復讐」に置いてしまう。
そして、その複雑に屈折した憎しみは、自分をも苦しめることになる。
なんか、読んでいて、人とは善く生きようと思っていても、どうしても嫉妬や恨み、虚栄心に振り回されて苦しんでしまう生き物なのだと思った。
それが「原罪」というものなのでしょうかね。
三浦綾子はキリスト教徒で、『氷点』は「原罪」がテーマなのですが、ドロドロした感情は誰にでもあるとは思っても、ため息が出てしまいました。
でも、敬造の、自らの暴走しようとする感情を理性で必死に抑えて生活している様子が妙に共感できて、彼の前頭葉オバケ的なところがちょっと好ましく思った。
妻の夏枝も、基本的には愛情深い母親で、実際には不貞などはなく「イケメンに言い寄られるのも悪い気はしない」くらいの女心で、娘に「(近所の)〇〇ちゃんと遊んできなさい」と外に出し、男の口説き文句に耳を傾けていたところの事件で、
この物語に、わかりやすい悪人は出てこない。
なのに、お互いの誤解や、自分が傷つくことの怖さから真実を知ろうとしない弱い心が、事態をどんどん悪化させ、憎しみだけが深まっていく。悲しい。
そんなドロドロの思惑渦巻く環境で育った陽子は、
なんと、天使みたいに素直で明るい少女になり、物語に光を差してくれるのですが、、、
📕📗📘📙
小説の舞台となった、旭川の「三浦綾子記念文学館」はホテルの近くにあり、行ってみました。
「氷点」の舞台となったこの場所に、文学館を建てたのですね。
朝、時間が早かったので文学館は開いていなくて、
隣接する「見本林」を歩いてきました。

外国の木が植えられている見本林は、敬造や陽子が住む辻口家と繋がる林、という設定で小説に出てきた場所。
ストローブマツを見上げながら
「この道を陽子が歩いたんだな」とミーハーな妄想に浸る( ̄▽ ̄)
原罪って何だろう。
仏教でいう「業」みたいな、逃れられない人の性質?
原罪から解放されるための「汝の敵を愛せよ」なんだろうか。
『氷点』上下巻を読んでも答えは出なかったけど
この作品には、続があるのです。
『続・氷点』、昨日図書館で借りてきました。
テーマは「ゆるし」だそうです。
じっくり読もう。































































