みちべぇの道

道だとか橋だとかが好きで、走ったり歩いたり道に迷ったり

私の帽子

朝起きたときは雨がザンザカ降っていて、今日は走れないなムフフと思っていたら、急に雨がやんで空が明るくなってきた。

青空がお出ましになり太陽サンサンの良い天気になった。これは走らねばもったいない。(基本貧乏性)

 

いつも通りバフを着け帽子を被って出走。

目久尻川は、かなり水量が増えている。

田んぼは池になってる。思ったより大雨だったのね。

 

f:id:michibe:20211201133742j:plain

これは川ではなく田んぼです。

 

そして風が強い。結構な力で背中を押してくれる。

行きは追い風なので快調だが、帰りは向かい風、キツそう。

程々で帰ってきたほうが身のためっぽい。

と思いながら、やっぱり追い風は気持ちがいいのでホイホイ走った。

強風で、トンビが飛ばされていく。

 

5キロ程走ったところで

「そろそろ帰らないとまずいんじゃない?」

私のわずかな常識人の部分が囁く

うん、もうちょっと行ったら帰ろう

もうちょっと、もうちょっと

持前の優柔不断ぶりを発揮して折り返しを先延ばし、結局いつもの折り返し(8キロ地点)まで行ってしまった。

ゆっくり帰ればいいや。(行きもゆっくりですが)

 

向かい風も最初はそれほど大変じゃなかった。

ほらね、風、弱くなってる。案ずるより産むが易し(使い方が若干間違っている)

調子に乗って走っていたら

ゴーーッ! 突風がやってきた。

頭がふっと軽くなった

振り返ると私の帽子が飛んでいく

川に向かって

帽子~! 行かないで

 

帽子は、川と道路の間の柵を越え、川岸の土手の中腹あたりにフワリと落ちた。

川には落ちなかった

さて、どうしよう

---

今年の夏、浅間の外輪山、黒斑山に登ったとき、トーミの頭という岩場で帽子を風に持っていかれた。

 

f:id:michibe:20211201140243j:plain

人が立っているところがトーミの頭

 

強風に襲われたのは一瞬の出来事だったが、谷底に落ちていく帽子はやけにゆっくりと遠ざかっていくように見えた。

 

母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね

 

西城八十の詩が浮かんだ(笑)

 

谷底に落ちた私の帽子、虫の住処になったのだろうか?

お猿がかぶって遊んだかもしれない。

今頃、西城八十の詩のように、帽子の上に雪が降り積もっているのだろう。

---

山で飛んでいった帽子、気に入ってたのでもう一度同じ物を買った。

それを今、飛ばしてしまった。

 

取りに行くしかないな。

柵は私の肩の高さ位ある。

幸い、周りに人はいない。

乗り越えろ!(柵を)

 

柵に飛び乗り、落ちないように足をかけ

えっちらおっちら乗り越えて

土手をズリズリ下り

帽子を救出した。

 

柵まで戻ると

散歩中のおじさんが通りかかり

「帽子飛んじゃったの?」と声をかけてきた

「そうなんです、風で」

「あらあら」歩いて行ってしまった。

あらあらじゃない、手を貸してくれてもいいじゃない?

 

人に頼ってはいけません

自力で越えましょう

柵を乗り越える58歳は

がむしゃらな63歳に比べ・・・カッコ悪い(笑)

 

えっちらおっちら乗り越え

何事もなかったかのように走り出した。

風に向かって走れ

アオサギが風の中をヨロヨロ飛んでいる。

 

とういことで、どうということない朝ランの一コマでした。

帽子、ゴミにならなくてよかった。

 

帰りには、川の水も少し引いていました。