坂道を走っていたら、雪が降ってきた
天気予報では「午後から雪」と言ってたのに、今はまだ午前10時半
また外したな気象協会
でも、坂ダッシュで上気した頬にあたる雪は気持ちいい
冬雪さえて すずしかりけり
だね、道元さん (^^♪
雪の中をトットコ帰る
ふわりふわり、軽やかに降る雪は
私の体も軽くなるような錯覚を与えてくれる
なんて呑気に構えていたら、雪はどんどん強く降ってきた
景色が少しずつモノクロームに変わっていく
水に降る雪
水に降る雪 白うは言はじ 消え消ゆるとも
閑吟集 248番
室町時代の歌ですね
「私の想いは水に降る雪のようです。『白い』とは、はっきりと言いません。私の身が雪のようにはかなく消えてしまっても。」
片思いの歌?
私がこの歌に触れたのは、昔読んだ漫画(「摩利と新吾」だったかな)で、人気者の上級生に恋した普通の(美しくもなく賢くもない)女の子が引用した歌、だったと思う。「私は取柄の無い女ですから、あの人には『好き』とは言いません。水に降る雪のように儚く消えてもしょうがない」。切ない。
「消え消ゆるとも」と「消」を重複しているのは、想いが消え、また降り注ぎ、消え、また降り注ぎ消えていく、という次から次へと溢れる思いを表している、らしい。
「水に降る雪」は、溢れ出る深い想いと、即座に消えていく儚さの両方を表現しているから、胸が潰される。
恋の歌としては、あまりにも切ないが、これって自分の生き方に照らし合わせるとエラく共感できる気がする。
こんな取るに足りない私ですが、よりよく生きたい、この命を燃やしたいと思っているのです、そんなことは恥ずかしくて言えませんけどね、という感じ。
水に降る雪
諦めようと思うときもあるけれど、「想い」だけはずっと持っていたい。
なんてね。