みちべぇの道

道だとか橋だとかが好きで、走ったり歩いたり道に迷ったり

宮ケ瀬湖で金縛りにあった話

昨年の鳥見日記(日記といっても、観察した場所と鳥をメモしただけ)を見ていたら、「1月31日(日)宮ケ瀬、早戸川林道 カケス(先っぽ)、ベニマシコ、ウソ、ルリビタキ」と書いてあった。

この日、夫と二人で初めて宮ケ瀬に探鳥に行ったのだった。ヤマセミとベニマシコがいるという情報を得て行ったのだが、ヤマセミには出会えず。でも、割とビギナーズラック的に数羽の鳥たちと初対面した。

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初めて足を踏み入れた早戸川林道はカチカチに凍っていた。

山側から染み出た水が道路に流れ、そこかしこで凍って厚い氷になっている。

滑る、転んだら絶対痛いやつ (>_<)

そして静かだった。

 

時折すれ違う人々は、皆、立派な望遠レンズのついたカメラを持っている

天体望遠鏡か?と笑ってしまうくらいの巨大なレンズ付きカメラも珍しくない

ここに来る人は、9割が鳥の写真を撮る人、という印象を受けた。

しかも本気モードだ。

(残りの1割は鳥を見るだけの私のような者と、あとは釣り人かな)

そんなガチのカメラマンの邪魔になることを恐れ、鳥が逃げないよう無駄口を慎み、足音を忍ばせソロリソロリと歩きながら野鳥を探した。皆がそんな感じで音をたてないで歩くからこの林道は静かなのだ、きっと。

 

カケス(羽の先)

前方に、双眼鏡を構え山側を仰ぎ見ている女性がいた。

何かいるのかな、と立ち止まると、女性は「カケスがいるのよ」と囁いた。

見上げると、カケスの羽先の青い部分がチラリと見えた、がそのまま藪の中に消えてしまった。

カケス・・・割と大きな鳥(35cmくらい)で、かつそんなにレアではないので、どこでも見れるさ、とたかをくくっていたが、この後箱根の芦ノ湖畔で、逃げていく後ろ姿をこれまたちらっと見ただけ。今年はその全貌を見せてください、カケスさん。(ギャーギャーの鳴き声は何度か聞いた)

 

ベニマシコ(メス)

しばらく歩いていくと、木の上に茶色い小鳥を発見。

スズメのようにも見えるが、いや、あの羽の白黒、小さなクチバシ、図鑑で見た。あれこそ ベニマシコではないか? 紅くないけど。

「ねぇ、あれ、ベニマシコ?」

興奮して、後ろにいる夫に問いかけた。・・・つもりだったが、振り返ると夫はいない。

カメラ付き三脚を担いでいる見知らぬおじさんと目が合って、軽く笑われた(;^ω^)

もー、こういうの、めちゃ恥ずかしいんですけど、我が家ではよくあることだ。夫はすぐにどこかに行ってしまう。私もズンズン先に行ってしまうのだけど(お互い様)

相手がいるのを確認してから話しなさいよワタシ、ってことね (-_-;)

「あれ、ベニマシコ?」の問いかけは独り言に成り下がり、虚しく消えていく、

と思ったら

「そう、ベニマシコのメスだね」

なんと、三脚担ぎおじさんが答えてくれた。

ご親切に、ありがとうございます。 あー、トンチンカンなこと言わなくて良かった。

 

ウソ

夫「あ、ウソ」

私「ウソ?」

夫「ウソじゃないよ、ホントだよ」

私「ホント! ウソだねぇ」

不毛なやりとり (^^ ウソがいた

これは写真があった(夫撮影)

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優しい色合いの鳥ですね。鳴き声が「ヒーホー」と人の口笛みたいなので「ウソ」。昔は口笛のことを「ウソ」と言ってたのだそうな。

 

ルリビタキの前で金縛り

林道をゆっくりと1時間ほど歩いたところに、ひょっこりオスのルリビタキが表れた。

低木の上、私の目の高さにいる。超ラッキー ♪ 双眼鏡でまじまじと観察していた。

瑠璃色の羽の小鳥、白いおなか、少し黄色が混じりふんわりしている。

つぶらな瞳が真っ直ぐ何かを見ている。素敵(#^.^#) うっとり。

すると、

ガシャン 私のすぐ右隣で地面に三脚を置く音が響いた

ガシャン 私のすぐ左隣で同じく三脚を置く音が響いた

ガシャン 後ろでも

カシャカシャカシャ カメラの連写の音に包まれる

しまった、油断した、三方向塞がれた (>_<) 逃げ場がない!

鳥撮りのカメラマンたちに囲まれてしまったのだ

「写真も撮らないのに、こんな特等席にいるんじゃないよ」と思われている気がする(被害妄想)気持ちが金縛りになり、物理的にも動けずに固まっていた。ひーーーっ。

まもなくルリビタキは、ちょこちょこと移動し始め、鳥撮りの人たちも合わせて動いていった。

あー、怖かった、と周りを見ると、そこには10数人のカメラマンたちが、揃ってルリビタキにカメラを向けていた。この人たちどこから出てきたの?ルリビタキを見つけたとき、私の視界には3~4人しかいなかった気がするのだが、、、不思議~。

宮ケ瀬湖、早戸川林道の七不思議だな(笑)

 

鳥撮りの人たちに囲まれて、何がこんなに恐ろしかったのだろう?

私に「ベニマシコのオスだね」と教えてくれた人のように、きっと皆良い人なんだろうけど、集団で鳥に向かう「本気」のオーラにやられたのかな。

この人たちのおかげで、インスタグラムやYouTubeでいろいろな野鳥を見ることができるのだろうから感謝しよう。

 

貴重な体験をさせていただきました(^-^;

怖かったけど楽しかった\(^o^)/