みちべぇの道

道だとか橋だとかが好きで、走ったり歩いたり道に迷ったり

野鳥にエサをあげるということ

何年か前、昭和記念公園に行ったときの話

池の畔のベンチに座ったところ、池からカモが2羽こちらを目指してお尻を振りながら突進して来た。

それはもう、カモまっしぐら

私から目をそらさず一目散に向かって来る

ひっ( ゚Д゚) カモに飛びかかられる!

恐怖に身をすくませると、カモはベンチの近くで急にスピードを緩め

辺りをウロウロしはじめた

? ? ?

何やらこちらを気にしている風ではあるが、それ以上は近づかない

少しして、袋を持った人がやってきて、池に何かを撒き始めた

それに気づいたカモは、そちらに一目散に走っていった

ああ、エサをあげる人がいるんだ。やっと気が付いた

カモは、人からエサをもらえるという認識こそあれ

人の見分けはつかないのね。

人を見たらエサと思え だな。

 

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先週、夫と歩いていて

引地川沿いの小さな公園の入口で、電線にハトの群れが止まっているのを見た。

30羽くらいいたかな。

公園に入ると、背後からバサバサバサと羽音を響かせて(大きな音でビビった)

ハトたちが頭上を飛んで前方の地面に下り

左右に分かれてウロチョロ歩いている

驚いたが、別に道をふさぐわけではないので、その場を通り過ぎたら

また、バサバサバサと頭上を飛んで私たちを追い越し 前方に下りる

それを3回繰り返した。

夫が「誰かエサをあげているんじゃない?」と言う。

そう、昭和記念公園のカモのように

餌付けされた野鳥たちは、人を見たらエサと思うのだ。

「あげないよ」とお断りしてその場を去った。

 

引地川沿いの道には「野鳥にエサをあげないでください」という看板がある。

そういえば、以前、スズメにパンをあげている人を見た。

日常的に大量の餌をあげてスズメが増えると、農作物が被害にあうだろうし

ハトが増えるとフンで街が汚れると怒る人がいるだろう。

困ったものだ。

 

しばらく歩いて、ちょっと休憩しようかとドトール

店の外、歩道脇のテーブルでコーヒーを飲みケーキを食べ

ふと足元を見ると、一羽のハクセキレイがトコトコ歩いていた

「おお、かわいいねぇ、ケーキ食べる?」

ハトにはあげないのにセキレイにはあげる(;^ω^)

だって、つぶらな瞳でこっちを見るんだもの

 

「ちょうだい」

うっ、愛くるしい💛 ケーキをひとかけらあげると

 

「いただきます」

食べた。

 

「もっとちょうだい」

うん、でも野鳥にエサをあげるってどうなんだろう(あげてから考えるな)。

 

考えていると、歩道を自転車がやってきて、セキレイは飛んでいってしまった。

 

己を顧みる

ハトやスズメにエサをあげている人を「困った人」と思っていたけど、私も今セキレイにエサをあげたよね。

ホテルやペンションで餌台を作って野鳥にエサをあげるのはどうなんだろう。

 

ネットで「野鳥 餌やり」と、相変わらず雑な検索してみると

「節度を守り、人に迷惑を掛けなければよい」という書き込みがあった。

うーん、もっともらしいけど、そういう問題でもない気がする

例えば、カモにあげようと川に大量のパンを撒いたら、食べ残したパンで川が汚れる

また、食品添加物が入った食べ物を、体の小さな鳥が食べたらどんな影響があるのか

人に迷惑をかけなければよいというものでもないよね。

 

節度を守ればよい?

ハトにエサをあげた人は、最初は1羽だったのかもしれない

それが2羽になり、どんどん増えて群れでやってくるようになった・・・かも。

 

そうね、そうだよね。

私は間違えた、のだろうな。

野鳥に関わってはいけなかった。

もう、やりません。

 

それにしても、小指の先ほどのケーキのかけらで

グズグズ考え込む私は、我ながら肝っ玉が小さいなと思う。

ちゃらんぽらんのようで実はクソ真面目人間

向こう向きになっているオットセイ

でも、大らかじゃないからこそ

「豆が欲しいかそらやるぞ」と鳥たちにエサを撒くようなことはまずしないから

小さくていいや

 

日本野鳥の会のページが叱ってくれた

 

wbsj-tochigi.jimdofree.com

 

命を慈しむことは自然に関心を持つことになる一方で、様々な命がつながっている自然の仕組みを無視しては自然保護とは言えません。目の前の一羽だけでなく、生態系や環境のことにまで視点を広げて考えるようにしたいものです。

 

確かに「可愛いからエサあげる」では、思慮が足りなすぎる。

野鳥の会は、「野鳥を愛する人は自然を愛する人だと信じたい」とも言ってたな。

私も、そう信じたいし信じられたい、と思った。