みちべぇの道

道だとか橋だとかが好きで、走ったり歩いたり道に迷ったり

ハンガーノックの記憶

目久尻川をこよなく愛する私だが、この川を下流に向かって走ったことがない。

相模川と合流することは地図を見てわかっているけれど、この目で合流地点を確認したい。

ということで、今日は目久尻川をいつもと反対方向に走った。

 

気温23℃、湿気は多いが空は雲っていてまあまあ走りやすい。

 

 

昨夜の雨で草が濡れている。目久尻川は川の左右どちらかが草ボーボーなので、橋を渡り左岸に行き、次の橋を渡って右岸に移動し、と、草のない岸を選んで行く。

 

 

寒川神社参道の二の鳥居を横に見て進んで行くと

 

あら、行き止まり。対岸も道がない。

 

仕方がないので引き返し、神社の参道を通って産業道路に出、また目久尻川を見つけて川沿いを下流に向かって走って行った。

気が付くと、あれれ?ここは見覚えがある。相模川の土手じゃない?

 

今まで相模川の分流だと思っていた川は、実は目久尻川だった(@_@。

いや、そうじゃないかと薄々思ってはいたが、やっぱりね。

真ん中のこんもりと草木の茂った場所は、相模川の中州と思っていたが、そうではなくて左岸だったのだ。(相模川はこんもりの向こう側にあるので写真では見えない)。そして手前は目久尻川。二つの川は、ここでは平行して流れている。

そして少し行くと

 

真ん中の斜めっているように見える木の下あたりで合流しているっぽい。

 

なるほど、ここが目久尻川のゴールか。わかりずらいけど。

セッカが「ヒッヒッヒ」と、オオジュリンが「ギョシギョシ」と鳴いている。

 

合流地点を見届けて満足し、さて帰ろうかな。でも海まであと3キロ。せっかくここまで来たのだから海を見に行こうと思いなおし、相模川をもう少し走ることにした。

 

海に着いた。

 

向こう側では雨が降っているのだろうか、と思わせるような、灰色に煙る相模湾

少しだけ太陽の気配も感じる。

 

ここまで8キロ、往復で16キロ走ることになる。大丈夫かワタシ?

以前、まだフルマラソンを走ったことがなかった頃、調子に乗って走ってハンガーノックを起こした記憶が蘇った。

 

☆☆☆

 

その頃は、走ることが楽しくて、たぶん脳がおかしくなっていたのだと思う(^-^;。どこまでも走っていけそうな気がしていた。

小銭を400円くらい持って湘南海岸まで走り、そこで帰ればいいものを更に海岸沿いを江の島に向かって走った。

浜須賀でガーミンを見ると走行距離が15キロとなっている。単純計算だと往復で30キロになる。今までハーフ以上は走ったことがない。でもまあ、疲れたら歩けばいいよね、と楽観的に考えた。いつも変なところで心配性のくせに、肝心なところで読みが甘く後で痛い目にあう自分。

サザンビーチで水を買い、海から川に戻り、テコテコ相模川沿いの道を走った。

平塚アリーナを過ぎたあたりで結構お腹が空いていることに気が付いた。どこかで甘い飲み物を買おうかな、と思いキョロキョロしながら走ったが、この辺りは工業団地で、道路に自販機はないしコンビニもない。工場や倉庫の敷地内に自販機が見えるが入れない。

体の力が抜けていき、走るのをやめて歩きだした。

歩いていても、どんどんエネルギーがなくなっていく。ああ、ハンガーノックかなと思う。道の横の草原に寝転びたい、眠りたい。

草の上に倒れたら、誰かが救急車を呼ぶかな。病院に運ばれていろいろ検査されて医者は言うだろう「どこも悪いところはありません」。そして私はつぶやく「お腹が空いた」。迎えに来た夫の前でガツガツとかつ丼を食べる自分の姿が浮かぶ。夫は「人に迷惑をかけるのなら、もう走ってはならぬ」とランニング禁止令を発令するだろう。友人らは私を「空腹で倒れた女」と面白がって後々まで語り草にする。

そんなのは絶対にイヤだ!

ない気力を振り絞り、ゾンビ状態で歩いて歩いて相模川の橋を渡りパチンコ屋の自販機で栄養ドリンクを買って飲んだ。体中の細胞に染み渡るような美味しさだった。人間に戻ってまた歩き、家に帰ってシャワーを浴び、バナナを食べて何事もなかったかのような顔をしていた。夫には私のハンガーノックはバレていない、たぶん。

無事帰れて良かった\(^o^)/心から思った。

 

それからは、長距離走るときは補給食を持つ、お金を持つ、コンビニの場所を把握しておく、てなことを心がけた。

 

今日は、16キロだったしクエン酸入りの梅ドリンクを飲みながら走ったので、全然大乗でした(*^-^*)