みちべぇの道

道だとか橋だとかが好きで、走ったり歩いたり道に迷ったり

吾唯足知

連休中の暑い日、八王子城址に鳥を見に行きました。

そろそろサンコウチョウが来ているかも。

 

サンコウチョウ(三光鳥)

コバルトブルーのアイリング 尾っぽの長い美しい鳥

「ツキ ヒ ホシ(月日星) ホイホイホイ」と鳴くから

三つの光の鳥と書いてサンコウチョウ

見て見たい。ホイホイホイを聞いてみたい

 

八王子城址の森

この日は紫外線が強くて やや明るめ

 

緑が重なる

 

カメラマンの方々は数名おられたのですが

サンコウチョウには会えませんでした

オオルリキビタキのさえずりが聞こえる

でも、姿は見えず

しょうがないね、こういう日もあるさ

 

 

帰り道、一件の家の前で足が止まる

「お庭をご自由にご覧ください」という文字と

 

「寄ってけよ」 鬼に呼ばれて門を入った

 

樹木の生い茂った庭は涼しく

見上げると

 

ツリーハウス?

 

家の御主人が現れて「登ってみますか?」と

えーーーっ!いいの? 登りたい!!

 

この方は庭造りのプロだそうで

自宅のお庭でいろいろ遊んでいるのですって。

木の上には 梯子で登る、、のではなく

左側に藤の蔓で作った道があるのが見えるでしょう

そっちから登るの

しっかり組んであって、ちっとも怖くない

 

上はこんな感じ

 

木の上から、更に上の枝を見上げる。大樹だね

 

いいなぁ、ここで本を読んだり、コーヒー飲んだり、お昼寝したり

一日過ごせたら楽しいだろうな

木のあるお家に住みたいよ。ツリーハウスなんて素敵過ぎる。

 

木から降りて、庭を歩いていると

どこかで見たような石があった

 

京都の龍安寺で見た「知足の蹲(つくばい)」と同じ文字

 

真ん中の四角を口(くち)と見て、上から時計回りに

「吾 唯 足 知 (われただたるをしる)」と読む

足るを知る…求めればキリがない、欲を出し過ぎず貪らず、今の状況に感謝して静かな心で生きましょう、みたいな意味でしょうか。

 

足るを知るかぁ

「今は、まあまあ穏やかに暮らしているので、これ以上欲しいものはないわ」

と、枯れた年寄りのように思う時と

「もっと、もっと『美味しいね、凄いね、キレイだね、面白いね』と言いたい」

という欲の塊の時があり、どちらも自分。

 

私は欲が深く 過剰に求めてしまう性質があると自覚しているので

「充分足りています」と口で言っても表面上だけかも知れない、と思ったり。

どうしようもない渇きを感じることもある。

 

でもね、常に満ち足りていなくて、何かを渇望しているような

そんな人が創った詩は深く心に沁みるし

受け取る側も、足りないものがあった方が味わえる

空腹の時に食べたご飯が めちゃめちゃ美味しく感じるように

なんて思うわけで

 

足るを知るもよし、足りないと藻掻くもよし かな。

と、中途半端に思うのでした。