みちべぇの道

道だとか橋だとかが好きで、走ったり歩いたり道に迷ったり

ただただ歩いた記録②

(つづきです)

 

第2CP~第3CP(保土ヶ谷区 横浜市児童遊園地) 20:39到着

35km~56km 

藤沢市から横浜市に入り、街は夕方から夜に変わっていく。

 

前を歩く人たちのリュックにつけられたLEDバッジが、蛍のようにチカチカ揺れながら光っている

 

受付でもらった光るバッジ

 

第3チェックポイントに到着。温かい味噌汁をいただいた。

五臓六腑に染み入る美味さよ。

 

紙コップひとつひとつに書かれた手書きのメッセージ

「あと44km Fight♡」

ありがとう、頑張ります

 

さっ、これからだ

 

 

第3CP~第4CP(神奈川区 ポートサイド公園) 0:15 到着

56km~70km

前回は、第4チェックポイントにたどり着けずリタイヤしたのだった。

今回はどう?

幸い、体は真っ直ぐを保っている

足はかなり痛いが、まだ歩ける。

 

周りを歩いている参加者の中には、前回の私のように体が横に傾いている人もいて

その姿を見ると、身につまされる、つまされる。苦しいだろうな

でも、アレは突然来るんだよね。気が付くと体が曲がっていて視界がおかしくなって気分も悪くなって歩けなくなる。他人事じゃない

 

Kumi先生(友人・ヨガの先生)に「ときどき体側を伸すのよ」と言われていたので

信号待ちの度に、体側ストレッチをする。

体側は何とか無事を保っているが、だんだんと腰とか肩とかが痛くなってきた

足は、当然痛い。

上がらない足を持ち上げて歩道橋の階段を上ると

みなとみらいの夜景がひらけた

 

深夜なのに明るい街

星は見えないけど、

頭上にはお月さん

 

 

こんな時間に100kmを歩いている酔狂な私たち参加者を、どうか見守ってください。と、月に願いを

 

そういえば、まっくさんは「星降る街角」を歌ってくれているのかな、と思う。

それにしても、「星降る街角」って、懐かし過ぎですよ まっくさん

昭和のムード歌謡 (;^ω^)

 

そうこうしているうちに、第4チェックポイント到着。

 

ここでも、温かいスープが嬉しい。柿の種も嬉しい(*^-^*)

 

仮眠をとっているのか、リタイヤしたのか公園で寝ている人をちらほら目にする。

 

これから先、自分の体はどうなるのか、不安だけど興味もある

あと30km

歩けるだろうか

 

 

第4CP~第5CP(品川区 鈴ヶ森道路児童公園) 5:10頃 到着

70km~88km

この区間が一番苦しかった。

足は限界を超えて痛い、体もあちこち痛い、なぜか手がつる、目も痛くて開けていられない(昼間の日差しのせい?)、吐き気は頻繁に襲ってくる。

しかし、体は曲がっていない。それが一番重要。

歩けるから歩く

 

と、強い気持ちを保とうとしているが、この道は信号が多くて

立ち止まるたびに股関節と腰がギシギシ痛み、立っているのがつらい。膝に手をあててゼーゼーと肩で息をする。信号待ちのたびに体力が削られていくが、それでもただただ歩く。ときどき横断歩道が波打つように押し寄せてくる幻覚(?)を見たりしながら。

ペースはかなり遅くなってるけどしょうがない

とにかく前へ

 

そんな中、横浜のチェックポイントでもらった柿の種が有難かったなぁ。

歩きながら少しずつポリポリと食べていると、少し正気になれるし、吐き気も治まってくる気がした。梅風味柿の種は命の恩人です(;^ω^)

 

鶴見川に掛かる鶴見橋を渡り

多摩川に掛かる六郷橋を渡り

 

 

東京に入った

 

空が明るくなりはじめ、都会の朝を迎える。

 

東京の日の出すごいキレイだなあ

 

という歌が浮かんだ。スピッツの「けもの道」かな(スピッツ好き)

実際この日の 朝陽は、雲に隠れてよくわからなかったが

歌詞の続きを、脳内で歌ってみた

 

細胞全部に与えられた

鬼の力を集めよう

 

都会のけもの道を必死で歩いているケモノ(私ね)

鬼の力が欲しい

 

第5チェックポイントに到着

予定よりだいぶ時間がかかってしまった。24時間切りは無理かな。

満身創痍だし、完歩できるかどうかも、まだわからない。

でも、もしかしたらもしかして、岡山で達成できなかった(20分オーバーした)24時間以内のゴールができるかも。

落ち着いて計算すると、あと12km、時間は3時間くらい残っている。時速4kmだとギリギリセーフかアウトか。

無理して歩いて途中で倒れたら、これまでの苦労は水の泡。

ゆっくり歩いて制限時間内完歩を目指すべきか

どうしよう

とりあえず歩きながら様子をみよう

 

 

休憩を5分くらいで切り上げて、出発。

 

ケモノよ、行け!

 

 

第5CP~ゴール(新宿区 明治神宮外苑室内球技場) 7:55頃 到着

88km~100km

第5チェックポイントを出て、時速5キロちょっとで歩きは始められたのが、今となっては奇跡のように思える。鬼の力か?

ゴールが近いからか、スタッフの人がコース上に立っていて、びたび声をかけてくれたのも励みになった。

 

東京タワーだぁ(おのぼりさん)

 

しかし、東京タワーを過ぎて、ゴールまであと5kmというあたりから、パワーが尽きてきた。周りの人たちはどんどん先に行ってしまう。

大丈夫、まだ時間はある。

リュックから、第5チェックポイントでもらったビスコ桃味を出して食べると、ちょっと復活した。やっぱり食べるって大事なのね。

 

ヨタヨタと歩いていると、後ろからスタッフらしき人がやってきて

笑顔で「もうすぐ終わりですね、楽しんで歩きましょう」と声をかけて去っていった。

え? ああ、もう終わるんだ。

嬉しいけれど、急に寂しくもなった。

「つらい」が多かったけど、気付いたこともあるし、楽しい旅だったよね。

 

でも、まだ終わっていない。気を抜かず歩こう

 

明治神宮のポプラ並木を通り

 

 

神宮球場の前を通って

 

ゴール!

 

23時間41分

目標達成。よかったよかった(*^^)v

 

フィニッシャーTシャツをいただきました

 

YOU DID IT!

 

うん、できたよ

 

 

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今回の100kmで、最後まで体が傾かなかったことが、とても嬉しい。

体幹レーニングの効果か、友人の「体側を伸ばしなさい」の助言のおかげか

両方かな。

負荷は軽くても毎日 体幹レーニングを続けるのは大事ということと

長距離を歩く練習をしたから、100kmを歩けたのだということを

自分を実験台にして解って面白かった

人間の体って、還暦過ぎても変われるものなんですね。

 

今回の体験が、今後も何かの役に立つ気がします

 

そして、

「一人で歩く」と言いながら

結局、いろんな人に助けてもらった100kmでした

ブログの方々にも、夫にも、友人、スタッフの人たちにも

本当に感謝してます

 

 

長々しい記録にお付き合いくださり、ありがとうございました。